今回は１９６７年夏に発行された『デラックス・マーガレット創刊号』です。創刊号の値段は１３０円で、当初は季刊でスタートしました。

　現在も発行が続くロングセラー雑誌の一つです。創刊から１９７６年春の号までの約１０年間の表紙を高橋真琴が担当しており、古書として非常に人気が高い雑誌の一つです。

　創刊号は中綴じ装丁（一般の週刊誌の装丁）です。２号目以降は厚めのマンガ雑誌で使われる角背なので、唯一の中綴じ装丁だったということです。

　内容的にはマンガが３本で、その他は小説やスターグラビアなどが掲載され、ティーン向けをねらっていたのが分かる。１９６７年の時点で発行されていた集英社の女性向けマンガ雑誌は「りぼん」、「別冊りぼん」、「週刊マーガレット」、「別冊マーガレット」があり、この５冊目の「デラックスマーガレット」はいままで手薄だった中高生を対象とした漫画誌ということでスタートしたのだと思われます。

　しかしこの傾向は、翌年発行された「週刊セブンティーン」との競合を避けるためか、次第に普通マンガ雑誌としての傾向を強めていきます。１９７０年代末には隔月刊となりますが、「別冊マーガレット」との区別があまりつけられない雑誌にと変化していきます。

　中綴じの本は、綴じ部分が傷みやすいのですが、今回の本の状態は文句なしの美本です。

西谷祥子「麻巳のみずうみ」

左は、水野英子「初恋」。右は、わたなべまさこ「かもめの館」。

左は藤田ミラノのバースディカード。右は、ブルーコメットのヒットソングを小説化した物で「涙のブルーシャトー」。挿絵は同じ藤田ミラノ。