今月のお薦め バックナンバー 
トップページへもどる
『少女サンデー1962年1月号』
1962年1月号 小学館
値段:20,000円 売切

 

 

 

 今回は小学館が発行した、『少女サンデー』です。創刊号は1960年9月号で、当時小学館から刊行されていた『女学生の友』の姉妹誌として刊行されました。今回ご紹介するのは1962年1月号です。

 表紙下部にに小さく”創刊特別号”と記載されていますが、これは誌面変更月刊化による新創刊第1号の意味です。

 ごく短期間で終了してしまった雑誌で、詳細がよく分からない雑誌のひとつでもあります。一部推測を含め、とりあえず判明している事項を列挙します。終刊は1962年4月号で、トータルの冊数は11冊だろうと云われております。

判明している発売号数は、以下の11冊。
1960年9月号、12月号
1961年1月20日号、2月20日号、3月20日号、4月20日号、8月15日号
1962年1月号、2月号、3月号、4月号

 1960年〜61年まではB5サイズの判型で、一応隔月巻と云われておりますが、実態としては不定期刊に近かったようです(読者からのお便り欄に発売日が分からなくて困るという投書がある)。1962年からA5サイズに判型を変更し、毎月9日発売の月刊化に移行しました。

 内容的には小学校高学年生から中学生を対象にした誌面作りで、マンガ8作品(絵物語含む)、小説4作品、他おしゃれや芸能人の特集などから構成されています。マンガ8作品は比較的多いような木がするかもしれませんが、8ページ以上の作品はわずか3作品であり、トータルしても全体誌面の2割程度しかありませんでした。マンガ雑誌というよりはマンガも載っている少女向け情報誌的な誌面作りです。

 「小学館の学年誌」から「女学生の友」へつながる橋渡し的な雑誌を目指したのかもしれませんが、結局のところ競合する集英社「少女ブック」や講談社「少女クラブ」には太刀打ちできなかったのかもしれません。

 

 

 主要なマンガ作品3作をご紹介。

 高橋真琴「バラのささやき」。読切り絵物語。オールカラー4ページ、2色カラー4ページの計8ページ作品。スタイルが少し変わり、色彩表現が円熟へと差し掛かる頃です。

 芳谷圭児「風の中のユリ」第1回。オールカラー4ページを含む全20ページ作品。何度も絵柄を変更した芳谷圭児ですが、このころの少女まんがの画風は丁寧で味わいがあって良い感じです。

 巻末には牧かずま「しあわせをもう一度」。16ページ読切り作品です。


東京都公安委員会許可第301020205392号 書籍商 代表者:藤下真潮