神保町裏通り日記  g
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2月28日(土)
天気(晴)
売上(天気晴朗なれど波低し)

 

 中央市大市とかーなんだーかんだーで、慌ただしかった一週間でした。あー確定申告が終わらない(T_T)

  今週の新着目録は、『りぼん』だけになってしまいました。しかも30冊ほどあるうちの半分だけしか処理が終わりませんでした。雑誌の目録処理って時間がかかるんです(T_T)

 今回のりぼんは1972年から74年にかけての物です。このころの『りぼん』は、一条ゆかり、もりたじゅん、土田よしこ等の中堅どころに加え、田渕由美子、陸奥A子、太刀掛秀子、内田善美等の次代を担う新人の台頭により、かなり層の厚い執筆陣が存在しました。

 

 上の2枚の写真は1972年2月号の綴じ込みの『お嫁に貰って大作戦』と銘打たれた企画物です。当時の主要執筆陣の顔写真と履歴書(真面目に書かれてはいない)が載っています。ちなみに1枚目の左上隅に新婚ほやほやのもりたじゅんと本宮ひろ志のキスシーン写真があります(^_^)

2月21日(土)
天気(晴)
売上(アジャパー)

 

 政府発表では景気回復ですが、全然全く実感が伴わない今日この頃です。

 今週の新着目録は、曽根富美子と先週間に合わなかった、「なかよし」です。

 曽根富美子には2年越しの探求でようやく見つけた『エクスプレッション(表現)』が今週の目玉です。

 著者の青年誌(初期のモーニングオープン増刊)で初めての作品です。”家族療法”と呼ばれる心理療法を主題に5つの短編が収められています。出版数が本当に少なかったようで、なかなか見つからないレア本です。

 こちらは著者の代表作『親なるもの 断崖』です。室蘭の幕西遊郭を舞台に凄惨で哀しいそして力強い女の生き方を描いた作品です。以前はゾッキ本(出版社が処分する新古品)がよく出回っていたのですが、急激なブームにより今では、すっかりレア本になってしまいました。

 ちなみにこちらが初期の少女マンガ時代の作品です。曽根富美子はレディスに移った段階で絵柄が激変しました。

 次は、講談社『なかよし』です。主に1975年から76年の物です。この頃のなかよしと言えば、やはりいがらしゆみこ『キャンディ・キャンディ』です。


 連載第1回が1975年4月号です。連載直後から人気は高く、カラー扉や表紙などの使用率も高いです。翌76年10月にはアニメもスタートし、人気に拍車がかかります。

 もうひとつこの頃のなかよしで見逃せないのは水上澄子です。デビューが75年11月号の『両手いっぱいの花』です。

 水上澄子は翌76年あたりから精力的になかよしや増刊で、読み切りを発表します。しかしこの頃の作品はあまり単行本に収録されておらず、要注目です。

なかよし1976年2月号水上澄子『沈丁花の咲く家』

なかよし1976年3月号水上澄子『キンポウゲの咲くころ』

なかよし1976年6月号水上澄子『花どろぼう』

 

02月14日(土)
天気(晴)
売上(T_T)

 

 ニッパチです。内職の封筒貼りのテープアウトもトラブル起こす(意味不明)今日この頃です。

 そのトラブルのおかげで予定していた「なかよし」が入力できませんでしたm(_ _)m

 そんなわけで今週の新着目録はかなり数が少ないです。

 今週の目玉は、北冬書房の倉庫を漁った(^^;デッドストック品(でも箱はちょっと汚れている)からつげ義春選集10巻サイン付を。

 

 この選集は1980年から81年にかけて、全10巻で刊行された物です。限定1000部でそのうち50部程にサインが入れられたそうです。この本はその1冊です。いまでも人気の高いシリーズです。

 店主のお薦めとしては、文月今日子『ファランドール』を挙げておきます。特にレアでも何でもありません。単に店主の趣味です(^^;

 文月今日子は、1973年別冊フレンド『フリージアの恋』でデビューです。どちらかといえばほのぼのコメディ系を得意としておりますが、一時期この短編集のようなシリアスでロマンチックでドラマチックな作品も描いていました。
  ナチス支配下のパリを舞台に、女優とレジスタンスの悲恋を描いた表題作の他に、エーゲ海の孤島に一人住む少女との恋を描いた『海苑』、名作の誉れ高き『スー・セント・マリーの恋』を収録。
 コメディ路線も悪くないのですが、またシリアス物を描いて欲しいと切に思っております。でも掲載させてくれる雑誌がないかなぁ(T_T)

 知り合いのマンガ家THE SEIJIが、週刊チャンピオンで連載始めました。タイトルは”かりんと。”。皆様応援してあげて下さい。


THE SEIJIのホームページはこちら

 

02月07日(土)
天気(晴)
売上(ヒデブ!)

 

 仕入れた荷物がちっとも片づかない今日この頃です。お店も閑だし困ったなぁ。

 今週の新着目録です。

 前回すこしだけご紹介した『雪の少女』前後編です。

 前編が昭和31年2月、後編が4月の発行です。オオトモヨシヤスは、作画などに実験的な挑戦を行っていたようです。この2枚の表紙を比べても髪の描き方、陰影の付け方に創意工夫が見られます。カラーだけでなく内部のモノクロに於いても

 

このような実験的作風が随所に見られます。昭和31年という時代に於いてここまでの描写力を持ったマンガ家は希有だと思います。
 店主がオオトモヨシヤスに傾倒しておりますので(^^;、そのうちまた何か紹介するかも知れません。呆れないで付き合ってあげてくださいm(_ _)m

 もう一つ貸本漫画から、同じひまわりブックのはざまくにこ『星からのお客さま』と角田まき子『お城へ帰ろう』です。

 

 ネットの一部で、つりたくにこ=はざまくにこ=角田まき子という説が流布しておりますが、つりたくにこ=はざまくにこは、正しいのですが、つりたくにこ=角田まき子は間違いです。角田まき子=早瀬マキが正解のはずです。
 『星からのお客さま』は、ガロでのつりたくにこ作風と違いSFラブコメディとなっています。SF好きだったつりたくにこのSFに対する思い入れが分かる作品に仕上がっています。

 2週間ほど前に市場で仕入れた雑誌の山の整理をようやく始められました。まずは、白泉社『花とゆめ』からです。
 白泉社は1973年に集英社から分離独立した会社で、最初に刊行したのがこの『花とゆめ』(創刊は74年5月)でした。当初は月刊でしたが翌75年から月2回の刊行となりました。当初はマーガレットでの執筆陣を中心(初期に刊行されたコミックスもマーガレットからの流用だった)に強力なゲストを毎回加えた構成を取る形で着実に部数を伸ばし、76年頃から「ガラスの仮面」や「はみだしっ子シリーズ」で不動の地位を築きました。今回ご紹介するのは、ちょうどその辺りの変革時期の頃です。

 

 この当時の雑誌掲載作品は、ほとんど単行本化されていると思っていたのですが、それでも意外と未収録が多くてびっくりしました。ちょっと気づいただけで、巴里夫、神坂智子などの単行本未収録作品がありました。細かく調べればもっとありそうです。

 

 巴里夫「ラッキーセブン」・「カーとチー」

神坂智子「やがて春が…」

 次回は講談社『なかよし』を出します。

 

 

東京都公安委員会許可第301020205392号 書籍商 代表者:藤下真潮