神保町裏通り日記 
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2011年
11

 

11月26日(土)
天気(晴)

 

 天気が良い割にはちょっと肌寒いです。動いていればちょうどいい陽気なんでしょうが、店でじっとしているとちょっと寒いです。

 今週は週刊少女フレンド26冊。創刊号から1966年までです。ようやく週刊少女フレンドの創刊号が入荷しました。

 

 週刊少女フレンド1963年1月1日号(創刊号)です。B5判全180ページで定価は50円でした。左の画像が表紙です。当時の定番の外国人少女です。モデルの女の子の名前は不明です。巻頭特集は「世界の王女さまのおしゃれあんない」、もうひとつの特集が「ナルちゃんと美智子さまのおウチ見学」。注釈するまでもないかもしれませんが、ナルちゃんというのは現皇太子の徳仁親王のことです。

 

 漫画は全部で4本掲載されていた。左はちばてつや「ユキの太陽」。唯一の扉カラーです。少女クラブ時代から絶大な人気があった、ちばてつやの起用は当然といえば当然。右は赤松セツ子「みならい天使」。若木書房の貸本マンガにおいて絶大なる人気があった方です。若木書房での仕事も月1冊ペースで書き下ろしていたはずなので、この当時は結構忙しかったのではないでしょうか。

 

 左は山田えいじ「草原のメダル」。山田えいじの描く女の子ってちょっと色気を感じさせます。右は中島利行「カナリヤ少女」です。山田えいじも中島利行も「なかよし」からの移行組です。
 兎にも角にも少女マンガ専門誌としては日本最初の週刊マンガ雑誌です。さすがに週刊ペースに不安があるのか、4つの連載作品中3作品も原作付きです。やはり週刊連載というのはハードル高かったのだと思われます。

 今回の見所をちょっとご紹介。

  

 バレエ関係の話題が絶大な人気を誇った時代です。1963年10月13日号にちょっとバレエ特集が組まれております。森下洋子を中心にバレエ作品の紹介とかグラビアとかが満載。

  

 左の「つきみそうの湖」も1963年10月13日掲載記事です。この当時良くあった写真小説です。右はちょっと号数が違って1963年9月29日号の巻頭にあったブロマイドです。上は森下洋子、下は大原永子。

 この当時マンガでカラーページといえば、1冊中に1作品か2作品の扉ページだけというのが定番でした。しかも1963年の前半中はほとんどちばてつや「ユキの太陽」の扉ページに限定されておりました。そんなわけで「ユキの太陽」以外のカラー扉をご紹介。

 

 左は1963年9月29日号掲載、東浦美津夫「ふりそで剣士」です。この号が新連載です。右は1963年10月20日号掲載、どやたかし「赤いバット」。

 

 左は1963年11月24日号掲載、北島洋子「ナイルの王冠」。この号が新連載。右はちょっと飛んで1964年10月18日号掲載、細川知栄子「星のナギサ」。

 あとちょっと珍しい作品を紹介。

 

 左は1964年10月11日号掲載、里中満智子「マリアは知ってる」。デビュー後2作目の作品です。右は1966年4月19日号掲載、飛鳥幸子「100人目のボーイフレンド」。飛鳥幸子のデビュー作です。

 

 左は1965年9月7日号掲載、松本零士「なかないで白い星」。単行本未収録作品です。右は同じ1965年9月7日号掲載、青池保子「死の谷」。読み切り作品です。

 今週はこんな所で〜。

 今日から明日にかけて静岡の大市に出かけてまいります。その為ご注文への確認メールを出すのが遅くなるかも知れません。ご容赦のほどよろしくお願い致します。

 ところで巴里夫「今日も欠席」ですが、「5年ひばり組 8巻」とともに12月10日(土)には販売可能だと思われます。こちらも詳細決まりましたら、また通知いたします。よろしくお願いいたします。

 

 

11月19日(土)
天気(雨)

 

 

 久しぶりに豪快に雨が降っています。

 今週は頑張るぞと言っておきながらすみませんm(_ _)m。今週は主婦の友社の「ギャルズライフ」2冊と「ギャルコミ」が11冊。色々あったとは云え情けない。 

 

 ギャルズライフは1980年のものが2冊。どんな内容かといえばティーン向けのファッションとかの流行物を扱う雑誌。マンガもちょっとだけ載ってます。 主婦の友社が出していました。
 このギャルズライフに関する逸話にこんなものがあります。1984年2月14日、当時の自民党政調副会長だった三塚博が衆議院予算委員会の席上で、この「ギャルズライフ」を含むティーンズ誌5誌を名指しで「性欲雑誌」と糾弾しました。他の4誌は飛鳥新社「ポップティーン」、学研「キッス」、近代映画社「エルティーン」、平和出版「キャロット・ギャルズ」でした。今だったらかなり喧々囂々の大問題になりますが、当時出版界もそんなに過激ではないので、学研「キッス」と平和出版「キャロット・ギャルズ」は翌日にはあっさりと廃刊宣言しちゃいました。残った3誌も誌名変更や路線変更してゆきます。結局残ったのは「ポップティーン」(現在は角川春樹事務所刊行)くらいでしょうか。
 話しを元に戻します。「ギャルズライフ」の創刊は1978年頃(推定)で、上記の事件後「ギャルズシティ」と誌名変更します。それでも結局その後、1年余りで(多分1985年6月頃)廃刊になったようです。

 

 

 「ギャルズコミック」の方はもうちょっと良くわかりません。推測がかなり入りますが、多分1980年ころに「ギャルズライフ」の姉妹誌として「ギャルズコミックデラックス」が創刊(多分1月号)されます。当時はA5判型だったと思われます。1982年7月号からサイズをB5判と大型化し、誌名も「ギャルコミ」に変更。刊行パターンは基本的には隔月でした。推測ばかりで申し訳ない。

 1972年7月号の表紙の上に”おもしろさが大きくなった”と書かれているのは雑誌サイズがB5判になった事を意味しているのだと思われます。誌名に関しては本当に1982年7月号で「ギャルズコミックデラックス」から「ギャルコミ」に変更になったのかはちょっと確実性はありません。

 

 左は、1982年7月号掲載、山田双葉「横須賀フリーキー」です。山田双葉は、直木賞作家山田詠美のマンガ家時代のペンネームです。右は1982年9月号掲載、樹村みのり「転校生」。単行本未収録作品です。

 「ギャルズコミックデラックス」だった頃から含め、1980年〜1982年頃までは、高野文子、大島弓子、倉多江美、樹村みのり、坂田靖子、赤星たみこ、小道迷コ、さべあのま、まついなつき等のニューウェーブ系有名マンガ家を起用してかなり目立っていたが、1983年ころになると普通のティーン向け恋愛漫画という傾向が強まっている。迷走したと云うよりも、少なくても女子中学生や女子高校生や女子大生にとって、時代は既にニューウェーブなんかじゃなくなっていたということかもしれないです。

 来週は「週刊少女フレンド」やります。1963年から1966年ころのものです。乞うご期待(^^)/。

 

 

 

11月12日(土)
天気(晴)

 

 実のところ神田古本まつり終了後の土曜日ころから風邪引いてしましました。多分インフルエンザだったようで8度弱の熱が5日間ほど続きました。寝込んで店を休む自体にはなりませんでしたが、ちょっとした依頼原稿の締切も重なり目録に最大ダメージ売けてしまいました。

 てなわけで今週の新着目録です。ビッグコミック・フォアレディがわずか7冊という体たらく。まことに申し訳ありませんm(_ _)m。

 実はあんまり書くことがないフォアレディですが、書かないわけにも行かないのでちょっとだけ。

 

 今回ほとんどが1981年の創刊した年の号ばかり。表紙絵に関しては81年後半からは大矢ちきが担当してました。

 

 左は1981年4月号掲載、樹村みのり「春雷」。一応単行本未収録ですが、4ページのイラストポエムです。右は1981年5月号、矢代まさこ「同級生」。単行本未収録です。

 

 左は1982年12月号掲載、高野文子「極寒のお宿」。いわゆる「アネサとオジ」シリーズの一つ。これも単行本未収録。右は1981年7月号、古谷三敏「花火師一代 乱花」。単行本未収録かどうかは不明。

 店主がこういっては身も蓋もないのですが、特に初期のフォアレディに限っていえば、あまり面白い雑誌だとは思えません。さすが小学館だから、高名なマンガ家や原作者を起用してはおりますが、レディス雑誌としてうまくいっていたような感じは全然見受けられません。それは作家陣に問題があったと云うよりも編集側に問題があったような感じがします。81年6月号から男性作家競作シリーズというものが始まります。石森章太郎「佐武と市」、古谷三敏「乱花」、木村えいじ「ヒップにキス」、北見けんいち「あうんの手ちがい」、ジョージ秋山「浮浪雲」と続きます。それなりに有名な作家で内容的にも水準高いのですが、これをわざわざ女性誌に掲載する意味が全く不明です。女性に受けたとも思えませんし。そんな感じで編集方針低迷していたと思われます。

 ところで巴里夫「今日も欠席」ですが、印刷が遅れて月末発行となりそうです。発行されましたら、またここでご案内いたします。

 来週までには風邪をちゃんと治して目録も頑張ります〜(^^)/~~~

 

 

11月5日(土)
天気(晴)

 

 

 神田古本まつりも無事終了致しました。多数のお客様にご来場いただきまことにありがとうございました。店員Iともども熱く(いや厚くだな)御礼申し上げます。

 催事の風景はこんな感じでした。最終日近くに撮影したのでだいぶ棚がスキスキになってますね(^^;

 初めての催事は結構楽しかったですが、体力的にはちょっと辛かったです(^^;;;。来年も催事をやるかどうかは現時点ではちょっと未定です。

 今週の新着目録です。先週出来なかった付録漫画とグッズ系付録です。

 

 まずはわたなべまさこ「みどりの真珠」が5冊です。今回の5冊は凄くコンディション良いです。
 わたなべまさこ「みどりの真珠」は講談社少女ブック1958年11月号〜1960年8月号まで連載されました。原作は川内康範で、同時期にラジオドラマとしても放送されていたようです。わたなべまさこ「みどりの真珠」の連載は同じ少女ブック上の連載である「山びこ少女」と「白馬の少女」と平行して行われておりました。つまり同じ雑誌で2本連載を抱えていたわけです。凄いですね。

 

 1冊だけですが、「ミミとナナ」も入荷。この1963年5月号付録は少女ブックでの連載の最後となります。右の画像にもあるようにこれ以降の続きは週刊マーガレットの創刊号へと引き継がれました。雑誌をまたいでの連載は、当時としては結構珍しいケースだと思われます。

 同じ少女ブックから1962年8月号付録、牧かずま「歌のつばさに」。

 こちらは光文社の少女1961年3月号から、松島トモ子主演「おさげ社長」。コマ割した写真を使ったマンガ形式のものです。

 グッズ系付録で面白いものは

 講談社の「なかよし」の付録で高橋真琴の絵はがき2枚です。オモテ面に7円切手を貼る欄があるので1960年代後半の付録だと思われます。

 こちらはりぼん1974年2月号付録で「陸奥A子のミニレターセット」です。便箋が7×10cm程度の超ミニサイズです。今回はじめて扱ったので、封筒2枚で完品かどうかはちょっと不明です。

 来週は久しぶりに雑誌を出したいと思います。巴里夫「今日も欠席」はちょっと発行が遅れております。次回またご案内いたします。

 それでは、また〜

 

 

 

 

東京都公安委員会許可第301020205392号 書籍商 代表者:藤下真潮