神保町裏通り日記 
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12月27日(土)
天気(曇)
売上
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 リーマンショック以降グダグダの経済状況で、古本屋業界もボディーブローのようにじわじわと影響出ております。来年はどうなっちゃうんだろうと、古本屋同士でも話がよく出ます。しかしながら古本屋なんて根がアウトローばかりなんで、発言の割には深刻さが全然ないですね。

 本年最後の新着目録です。雑誌はなしで、微妙なレア本と大島弓子の画集がメインです。

 

 まずは、森村あすか「ラ・セーヌの星」全3巻です。全3巻なのですが、残念ながら話は完結しておりません。それから1巻の巻頭に扉絵がなく、まるで落丁しているかのようですが、これがデフォルト状態です。なにやら色々いわくありげな本です。

  

 左は北島洋子「スイートラーラ」。右はティーンコミックス版わたなべまさこ「はだしのプリンセス 前編」どちらも状態がよければ、それなりのレア本ですが、残念ながら状態はよろしくありません。

 こちらは、プリンセスコミック版わたなべまさこ「ふたごのプリンセス」全2巻です。状態はまあまあです。わたなべまさこが得意とした双子物の最後の作品です。

 

 こたらは川崎苑子。左は「麦子さんの時間割」全3巻。右はSC版「りんご日記」全3巻です。昔はよく出てきた本ですが、最近はあまりセットで見かけなくなりました。

 1970年代後半のりぼん誌で、山本優子とちょっとお下品なギャグの双璧を担っていた板東江利子です。上は「ラミと気まぐれ学園 前編」。下は「ちょいまちミータン」全2巻です。

 お次は大島弓子のイラスト集他です。

 

 左は大島弓子のイラスト集系で最難関の小学館メルヘンリーフ「9月の情景」です。カバーのコートが弱くてシミが入りやすいのが泣き所です。その点踏まえて状態は並です。右は角川ルビー文庫「night green」です。比較的最近の出版なのですが、部数が少なかったせいかほとんど出てきません。

 

  左もなかなか出ない徳間書店「すいーん星旅行記」です。帯付きで状態もよいです。右は画集ではなく、A4サイズという大判のコミックス(ちょっとイラスト入り)朝日ソノラマの「トップレディ カラーシリーズ 大島弓子」です。帯付きなんですが、残念ながら差し込みのポスターが欠です。

 最後に珍品を

 ショウワノートから発売された「花かたらい」という、A4サイズというノートとしては大判の交換日記用ノートです。タイトル下に”弓子・ロマンティックピンク交換ノート”と銘打たれております。表紙がちょっと凝っていて、透明なシートに前面の少女と花が印刷され、2面目に背面の木々と妖精が印刷されています。2面合わせると上記の画像のように見える仕組みです。内部のノート部分にも単色ですがイラストが印刷され、巻末には”弓子のセンチメンタルメッセージ”として花言葉が紹介されています。なかなか凝った作りのノートです。いつ頃発行されたのかははっきりと分かりませんが1986年頃ではないかと推定しております。

 これにて本年最後の神保町裏道理日記を締めくくらせて頂きます。ちなみに年初の1月3日は目録更新はお休みです。年明け最初の目録更新は1月10日になります。

 今年も一年難とか無事に過ごせました。来年は余りよい年でもなさそうな気がヒシヒシとするのですが(^^;……、それはまあさておき、皆様よいお年をお迎えくださいm(_ _)m

 

 

12月20日(土)
天気(曇)
売上
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 年明けの1月6日〜2月1日にかけて千代田区図書館に於いて「としょかんのこしょてん」を開催いたします。この展示会は神田古書店連盟の参加店が持ち回りで月1回行うイベントです。今回くだん書房は”少女マンガ雑誌の世界 ―時代を飾った少女マンガ― ”のテーマで開催します。展示スペースがそれほどないので、1960年代〜80年代にかけての代表的な少女マンガ雑誌16冊を展示します。先週から目録上に”2月まで販売保留(予約は可)”と表記があるのは、その展示で使う本も目録にアップしているためです。単なる展示会と違って購入も可能(但しお渡しできるのは会期終了後)です。もちろん目録に掲載したものはネット上でも購入(会期終了後発送)できます。お近くの方はぜひ千代田区図書館のほうへ足を運んで頂けたらと思います。

 そんなわけで今週の新着目録です。展示の準備で時間を取られ点数が少ない上に、展示用に使うものがちょっと混じっております。すぐの販売が出来なくて申し訳ありません。

 今週は貸本漫画が2点。

 

 左は、姫野ひろし「蟻の街のマリア」です。詳細はこちらをご覧ください。右は、遠藤信一「花ふたたび」です。以前にも入荷しましたが、今回のものはちょっと状態がよくありません。

 雑誌の方は「少女」と「少女クラブ」と「なかよし」と「少女コミック」と「週刊少女フレンド」。6冊しかないのにそのうち4冊が展示用ですぐに販売できないという凶悪さ。申し訳ありませぬm(_ _)m

 

 光文社「少女」は、1960年12月号。高橋真琴「プリンセス・アン」最終回が掲載です。

 

 小学館「少女コミック」」は、1969年4月号。巴里夫「ふたつのこだま」単行本未収録と、北島洋子「アリサのひとみ」総集編。「アリサのひとみ」は、学年誌での掲載を総集編化したものです。

 

 

 講談社「なかよし」は、1966年9月号。松尾美保子「ガラスのバレーシューズ」と牧美也子「花のコーラス」。ついでに牧美也子先生のお宅訪問記も収録。

 

 

 講談社少女クラブは、1959年4月号。細川知栄子「赤いリボン」読切り単行本未収録です。初の連載作品「黒いこうもり」の直前の読切り作品となります。

 

 こちらは週刊少女フレンド1965年1月26日号。細川知栄子「雪姫物語」読切り単行本未収録。「星のナギサ」と「東京シンデレラ」二つの連載の狭間に書かれた読切り作品です。

 

 最後は付録が2点。左は少女クラブ1961年3月号付録、細川知栄子「母の名よべば」。右はりぼん1966年4月号付録、牧美也子「虹にねがいを」。

 来週は本年最後の目録更新となります。新書を含む単行本類と大島弓子のイラスト集が中心となります。それでは、また来週(^^)/~~~

 

 

12月13日(土)
天気(曇)
売上
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 市場での仕入れやお客様からの買い入れなどで店内足の踏み場がない状態。少し落ち着いたら店内の整理を使用と考えているのですが、なかなか落ち着かなくて、どうやら年内に整理をするのはちょっと難しそうです。来店されるお客様にはご迷惑をおかけしますが、年が明けましたら少しずつ整理を行う予定です。

 今週の新着目録です。先週に引き続き今週もりぼんの古いところが7冊。週刊少女マーガレットは1972年から3年にかけての「ベルサイユのばら」掲載にかけての時代。それから別冊マーガレットが少しと、週刊少女コミックが少しです。

 りぼんに関しては今週もすでに5冊が現時点で売り切れ状態です。でもまあやっぱり書かねば、ね!

 

 りぼんの1961年12月号と1962年10月号の表紙です。左は浅野寿々子(順子)で、現在は大橋巨泉の奥様。右は内藤耀子(洋子)で、現在は喜多嶋舞のお母様。まあもう40ウン年前の表紙ですから。この時代のりぼんになるとなかなか出てきません。そんなわけでお値段もそれなりです。

 こちらは1961年12月号のグラビアです。サンタの衣装を着ているのが浅野寿々子。バレリーナの左端が森下洋子(このとき実に12歳)、左端から2番目が大原永子。いまや二人とも世界的に有名なプリマドンナ。

 

 マンガに関しては牧美也子が「マキの口笛」から「りぼんのワルツ」に至る時代。

 

 わたなべまさこが「おかあさま」から「カメリア館」に至る時代。

 今回の牧美也子イラストの封筒がありました。先週紹介したりぼんサービスコーナー用は、販売用グッズでしたが今回のりぼんクーポン大懸賞用封筒は、いわゆる全員プレゼント用のものです。賞品は「マキの口笛」イラスト入りハンカチでした。上が返信用封筒で下が往信用封筒です。

 お次は増刊号が3冊。この時代のりぼん増刊も珍しいです。

 

 1964年お正月大増刊号です。表紙は牧美也子。この号には青池保子のデビュー作「さよならナネット」が掲載されております。青池保子の漫画作品は集英社では結局このデビュー作だけです。なぜなんでしょうか?

 

 1964年春休み増刊号です。表紙はこれもまた牧美也子。この号には樹村みのりのデビュー作「ピクニック」が掲載。

 ちなみに青池保子のデビューは15歳。樹村みのりは14歳。昔の漫画家はみんなデビューが早いです。

 

 最後はりぼん1965年お正月増刊号。表紙は鈴木登志子(津山登志子)。この表紙は二重になっていて顔の部分が透明窓で表紙の次のページの鈴木登志子のグラビアが透けるように出来ております。
  右の画像はあすなひろし「冬の水車」。絵柄がすでに完成されております。
 下の画像は綴じ込みの栞。牧美也子、高橋真琴、わたなべまさこ、水野英子、今村洋子と豪華です。

 残り雑誌はほとんど売り切れ補充なので解説はパスです。でも「ベルサイユのばら」新連載号と「パンドラの秘密」掲載号が入荷しております。

 雑誌以外はわずか一つ。以前に掲載誌を紹介したことがありますが、谷口ひとみ「エリノア」がさわらび本工房さんのご努力により本としてまとまりました。

 

 左が今回さわらび本工房さんが出された「エリノア」の表紙。右は週刊フレンド1966年2月18日号に掲載された際の扉です。亡くなられた後にフレンドに掲載された追悼記事も収録されております。すでに予約とかで売れて当店でも残部少です。お早めに。

 来週は大島弓子のレア本かりぼん以外の古めの少女マンガ雑誌のどちらかです。細川知栄子の単行本未収録小特集も何とか年内にはやってみたいと思います。

 それでは、来週をお楽しみに(^^)/~~~

 

 

12月6日(土)
天気(晴)
売上
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 師走に突入しました。毎年毎年同じ事を書いているのですが、一年がたつのが早いです。まあ、歳を取ったということでしょう。それにしてもここ数年、店に進歩がないなぁ。もうちょっと色々なことをしなければいかんなぁと、ちょっと反省する今日この頃です。

 今週の新着目録です。1964年〜5年のりぼん9冊と1987年の週刊少女コミック20冊です。実のところこの文章を書いている時点で、りぼんの9冊中、8冊が売れてしまいました。実に足が速くて、店主も驚くばかりです(^^;。そんなわけで売れ切れてしまった商品の解説を書くのも気合いが入らないのですが、そんなわけにもいかないので書きます。

 

 表紙に関しては、内藤耀子とか鈴木登志子とかの子役が主体の頃です。

 グラビアに関してはバレエものが全盛で、今や国際的なプリマドンナの森下洋子がやたらと目立つ頃でもあります。

 

 左は森下洋子と三田明。右は森下洋子・川口ゆり子・靱啓子(ゆうきみほ)。

 マンガに関していえば、

 

 牧美也子が「りぼんのワルツ」から「虹にねがいを」にかけて活躍し、

 

 わたなべまさこが「王女ミナ子」から「花の館」にかけて活躍した時代です。ちょっとはしょりすぎですが(^^;

 そうそう巴里夫が、雑誌でブレークするきっかけとなった「5年ひばり組」は、1965年7月号が新連載でした。「5年ひばり組」は、この当時にしては珍しく4年にもわたる連載が続いたロングセラー作品となりました。

 その他個人的にちょっと気になったというか、気に入ったというか

 上記2点は、りぼん1964年5月号に綴じ込まれていた封筒です。牧美也子のイラストが美しい一品ですが、これはりぼんサービスコーナーという、誌面で販売されたグッズを申し込むための封筒でした。上が往信用の封筒で、下が返信用の封筒です。

 どんなグッズかといえば、漫画家のイラストが入ったハンカチやスターのブロマイドやブローチとかペンダントなどです。申込書と返信用封筒と代金分の切手や小為替を往信用封筒に入れて送ると、イラスト付きの返信用封筒に商品が同封されて送り返されるという仕組みでした。りぼんサービスコーナー自体はしばらく続いたようなのですが、この封筒の綴じ込みは、ごく短い期間だけだったようです。そういう意味では貴重な封筒です。

 最後にもう一点。

 りぼん1965年8月号掲載、トオル・ヤマザキ「ママの曲(ワルツ)」です。すごく無責任な話なんですが(^^;、この作者が誰だか分かりません。でもこの絵柄はどこかで見たことがある。さんざん悩んだのですが、どうしても思い出せません。どなたかご存知の方がおりましたら、是非教えてくださいm(_ _)m。

 来週も古いりぼんを出す予定なのですが、年明けに千代田区図書館で古い雑誌のミニ展示を行う予定なんです。そんな関係で目録用と展示用をどうしようかとちょっと思案中です。てなわけで内容は未定です(^^;

 

 

東京都公安委員会許可第301020205392号 書籍商 代表者:藤下真潮