神保町裏通り日記 
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10月31日(土)
天気(晴)

 

 神田古本まつり真っ最中です。お祭り期間中なので普段休みの日曜日も11月3日の祭日も営業いたします。どーぞよろしくです。

 今週の新着目録です。ちょっとレアな別冊少女フレンド1冊と別冊というか月刊のセブンティーンと貸本というか雑誌の「ごん」創刊号と貸本マンガ史研究21号。ちょっと薄めですm(_ _)m。

 別冊少女フレンド1970年1月号。表紙は高見エミリーと千葉慎一。高見エミリーは初代仮面ライダーガールで、現総理大臣鳩山由紀夫の弟の鳩山邦夫の奥さんです。

 とりあえず今週の一押しはこちら。細川知栄子「パリのロマンス」。カラー8ページ付の全40ページ。単行本未収録作品です。

 

 こちらは日の丸文庫・光伸書房「ごん」。1968年8月の創刊号です。本来は雑誌なんですが、当店の都合により貸本扱い(^^;。「COM」や「ガロ」に続く雑誌を目指したのでしょうが、4号で廃刊になりました。執筆陣は悪くないと思うのですが…。創刊号は全192ページで定価150円でした。

 最後は久しぶりの刊行。

 貸本マンガ史研究21号です。季刊となっておりますが、ここのところ1年に2回刊行くらいのペースです。今回の特集は「劇画誕生50年 2」です。ゲスト執筆の石川フミヤスさんと九鬼誠サンの記事が興味深いです。

 今週はちょっと解説手抜きです。しかも来週は未定だったりします(^^;。でもひょっとしたら川崎苑子の最後のマーガレット連載作品やるかも知れません。

 それではまた〜(^^)/~~~

 

10月24日(土)
天気(曇のち雨)

 

 毎年雨に祟られる神田古本まつりですが、今年はどうなんでしょうか。一応火曜日は晴れの予報が出てますが、台風が迷走すればそれも怪しい感じです。

 今週の新着目録です。貸本は適当に9冊。雑誌小学館「ぴょんぴょん」3冊、講談社「キャロル」5冊、「りぼん」と「なかよし」ちょっとは売切補充です。

 「ぴょんぴょん」も「キャロル」も語ることが尽きないような雑誌ですが、詳細に語るにはナカナカ入荷がない雑誌ですし、資料もほとんどありません。

 とりあえず、まずは小学館「ぴょんぴょん」。1988年1月(雑誌表記の刊行は2月1日、ひょっとしたら実際の刊行は前年12月の末頃の可能性もあり)に創刊されました。当初は隔月だったようで、何月号という表記ではなく何号という表記がされております。基本的には男の子向けの「コロコロコミック」に対する女の子向けの位置づけであったと思われます。

 執筆陣は室山まゆみ、藤原栄子、上原きみこ、奥村真理子など学年誌からの移籍が多い。420ページで漫画作品16本、値段は特別定価300円でした。月刊化の時期はちょっと不明で、1992年まで刊行されますが、休刊時の号数もちょっと不明です。「ちゃお」に吸収される形となり、これをきっかけに「ちゃお」は、「りぼん」、「なかよし」に対抗する少女向け幼年誌に変更されます。

 

 左は創刊号掲載、室山まゆみ「どろろんぱっ!」。このとき同時に「あさりちゃん」も掲載。右は藤原栄子「フラッシュ・バニー」。

 こちらも創刊号から、上原きみこ「ダンシングロード」。バレエシーンも出てきますが、基本的にはジャズダンス。わずか2回で終わってしまいました。

 

 こちらは1990年8月号。いそほゆうすけ作画の「ドラミちゃん」。藤子版と違って、ジャイ子(ジャイアンの妹)を助けるために未来からやってきたという設定。右は、よしかわ進版の「魔法使いサリー」。

 

 左は、1990年8月号掲載、井口ユミ「美少女仮面ポワトリン」。右は同じ井口ユミで1991年5月号掲載「不思議少女ナイルなトトメス」。「ぴょんぴょん」は、谷沢直の「魔法少女ちゅうかなぱいぱい」を含め東映不思議コメディーシリーズのコミカライズ作品は目立ちました。

 お次は講談社「キャロル」です。創刊は1983年5月号。創刊は1983年4月号。創刊当初から月刊で創刊当初は隔月刊で1984年7月号まで刊行されました。わずか1年と2ヶ月の刊行というのは講談社あたりの大手としては珍しいことです。執筆陣や内容などあまり悪くないのに続かなかった原因としては、「ぴょんぴょん」にも言えるのですが、付録関係がほとんど付いていなかったからではないか(連載漫画の付録版は付属)と推測しています。やはり幼年誌(とくに少女向け)には付録は必須だったのではないでしょうか。

 

 左は1984年3月号表紙。右は休刊号となった1984年7月号表紙。以下お薦め作品を独断と偏見でご紹介。

 

 左は、布浦翼の読切り作品。1984年2月号掲載「ばいばい!ルル」。船乗りのおじさんから貰ったタマゴから孵った人魚をめぐるファンタジーコメディー作品。右は、1984年5月号から始まった連載作品「とんでもランチ」。とある父子のもとに宇宙人の母子が押しかけるというSFコメディー。雑誌の休刊でわずか3回で終わってしまいました。

 

 左は、高畑梨絵「とんがり帽子のメモル」。1984年3月号から連載開始。こちらも休刊によって5回しか続かなかったため、単行本に出来るほどの話数に届きませんでした。右は、1984年4月号銀雪子「魔法の家の午後」。創刊号に掲載の「不思議なおとなりさん」から続く”ロベールとポーリーヌ”のシリーズ連作作品です。これが6話目で最終話となるのですが、こちらも単行本にするにはページ数が足らず、単行本未収録作品となりました。

 

 左は1984年4月号新連載、瀬戸みのり「ミリちゃん旋風」。右は1984年5月号新連載、伊藤かこ「サラダ畑通信」。どちらも上記同様の理由で単行本になりませんでした。

 結局、キャロルKCとして発行された単行本は、6作品9冊だけでした。

 来週は、月刊セブンティーンの予定です。

 

 

10月17日(土)
天気(曇)

 

 10月27日(火)〜11月3日(火)の期間中、神田古本まつりが開催されます。50周年記念として各種イベントも目白押しです。当店は特にベントには参加しませんが、1日(日)、3日(祭日)も営業しますので、この機会に是非足を運んでいただけたらと存じます。

 今週の新着目録です。イラスト集と貸本マンガ。雑誌は残念ながら間に合わずデス。

 

 ぶーけ創刊10周年記念に出た、ぶーけエクセラン3冊のうちの2冊。松苗あけみ「DREAM GARDEN」と吉野朔実「FLOWER PIECES」。「FLOWER PICES」は残念ながら帯欠です。

 

 左は竹宮恵子「海の天使」。角川書店の竹宮恵子全集完結記念に出たものです。右は文月今日子「詩とメルヘンの世界」。

 貸本マンガは全部で22冊。一応チャンバラ物で揃えてみました。

 

 今回一番多いのは小島剛夕の6冊。すべて貸本末期のつばめ出版からでたもの。

 

 臣新蔵も3冊。全て日の丸文庫からのもの。

 

 その他、月宮よしと、吉倉健、関すすむ、東田健二、佐藤よしろうとか色々です。

 来週は「ぴょんぴょん」、「キャロル」の予定です。

 

 

10月10日(土)
天気(曇)

 

 大市の疲れが溜まっていたのか、涼しくて過ごしやすい気候になったからなのか、やたらと眠い今日この頃です。寝ても寝ても寝たりない気分です。

 今週の新着目録です。大市で仕入れた貸本マンガ約80冊から短編誌だけ10冊アップ。普通のマンガ単行本は美内すずえが2冊。雑誌は講談社「るんるん」が1冊だけと新書館「グレープフルーツ」が全39冊セットです。

 まずは貸本まんが短編誌。少女マンガはほとんどなくて、チャンバラ物とハードボイルド物が主体です。

 

 左は大阪日の丸文庫「オッス! 54」。右はトップ社「刑事 49」。宮谷一彦のデビュー2作目が掲載されております。

 東考社「劇画No.1」。左が7集で右が8集。いばら美喜や関一彦、下元勝己あたりが掲載。

 左は、さいとうプロ「ゴリラマガジン No.14」。右は第一プロ「群狼 2」。

 左は日の丸文庫「魔像 別冊影丸譲也特集」。右はセントラル文庫「一文字 別冊 渦」。

 左はすずらん出版「ボス 2」。内容的には特筆することはないのですが、珍しい短編誌です。右は若木書房「ゆめ 95」。最後から2冊目になります。和田あきのぶ(和田彰信)が併載です。和田彰信も若木末期と東考社「アイ」でしか名前を見ませんが、その後はどうしたのでしょうか。比較的上手い人なのでどこかで続けていたはずだと思うのですが、消息不明です。

 単行本は美内すずえが2冊。

 

 左は「赤い女神」。初版でビニカバ付です。表現上の問題から長らく復刻できなかった作品です。最近になって表現変えて文庫版が出ました。こちらは当然元版です。右はいまだに唯一復刻されない「パンドラの秘密」。カバーサケがありますが、本体は問題なしです。併載の「ひばり鳴く朝に」も傑作で、しかもこの単行本でしか読めません。

 雑誌の方は、講談社「るんるん」が1冊。

 1997年5月号です。講談社「るんるん」は、元々「なかよし」の別冊(最初の号は不明)で1993年頃に隔月刊誌として独立しました。「なかよし」本誌がセーラームーンで非常に勢いが付いた時代でしたが、そのセーラームーンの終了とともに消えていった印象があります。1998年1月号廃刊。古書市場には滅多に出ません。

 最後は新書館「グレープフルーツ」。創刊から全39冊揃い。

 

 創刊は1981年7月号。廃刊は1988年4月号。創刊から5号までが季刊ペースでそれ以降は隔月刊となります。イラストと読み物とマンガという構成で、カラーページが比較的多く紙も上質なので、ページ数の割には重たい雑誌でした。値段は創刊から5号までが750円、6号以降は680円と当時のマンガ雑誌としてはかなり高額でした。連載陣が良かったせいか当初はかなり売り上げていたようですが、後半は売上的には低迷していたような感じがします。そんなわけで古書的には後半がナカナカ出てきません。ちょっとサンリオの「リリカ」を彷彿させます。新書館は単行本化自体は熱心でしたので、メジャーな作家の未収録作品はあまり多くはありません。中堅どころに未収録が見受けられる程度です。

 かなり個人的な感想ですが、末期に掲載された、文月今日子の3作品、「海苑」、「ファランドール」、「スー・セント・マリーの恋」は、かなり好きな作品でした。特に「スー・セント・マリーの恋」は最高傑作ではないだろうかと勝手に思っております。文月今日子はもう一度、この手の作品描いてくれないかな、なんてせつに思っております。

 来週は引き続きの貸本マンガとイラスト集を予定。余裕があれば「ぴょんぴょん」とか「キャロル」もアップ予定です。

 

 

10月3日(土)
天気(雨)

 

 ようやく一新会大市会が終了。この1週間店も開けられず、ひたすら古書組合の中で働いておりました。朝の9時には出かけて、お昼の一時間だけ大あわてで店に戻って発送作業、晩の7時に店に戻ってはメールチェックと通販の梱包。えーもう疲れ果てました_| ̄|○。そんな調子なんで先週の目録は大チョンボ。状態チェックが不完全なまま目録アップしてしまいました。海より深く反省。

 今週の新着目録です。そんなわけでろくに時間がとれないので今週はほんの少しです。りぼんコミック1冊、りぼんオリジナル4冊、りぼん本誌7冊、それから付録マンガ牧美也子「少女たち」が4冊です。

 

 

 光文社「少女」付録、牧美也子「少女たち」4冊。左上から1960年11月号、1961年1月号、2月号、3月号の付録。左上の1960年11月号には第1回と記載されているが、ひょっとしたら本誌側に数ページ頭の部分が存在しているかも知れません。

 

 今週の雑誌のお薦めは、これくらい。集英社「りぼんコミック」1969年12月号。ちょっと状態悪いですが、一条ゆかり単行本未収録「クリスマスイブ」と矢代まさこ単行本未収録「金曜日のアキ」と大所が載っていて何気にお得です。

 疲れ果てている都合で、今週はこんなところで〜。

 来週は、大市で仕入れた貸本関係か新書館「グレープフルーツ」かどちらかの予定です。

 

 

東京都公安委員会許可第301020205392号 書籍商 代表者:藤下真潮